SHIN FITNESSがスクールホリデー中も、できる限り毎日バスケットボール練習を行う理由は一つです。子どもたちの将来のために、成長の流れを止めたくないからです。
オーストラリアの長い休みを、完全停止の期間にしない
Queensland州立学校の2026年カレンダーでは、年間の登校日は195日です。Term間と年末年始を合わせると、まとまったスクールホリデーが年に4回あります。家族で過ごす時間や旅行は大切です。しかし、休みのたびに子どもの運動、生活リズム、練習習慣まで完全に止める必要はありません。
現在は、子どもが家にいるとYouTube、iPad、スマートフォン、ゲームに長時間を使いやすい環境があります。外で遊ぶ、走る、跳ぶ、投げる、仲間と競うといった自然な身体活動は、意識して予定に入れなければ消えてしまうことがあります。
出典:Australian Bureau of Statistics, National Nutrition and Physical Activity Survey 2023(2026年6月公表)。身体活動は5〜17歳で1日60分以上、娯楽目的の座位スクリーン時間は1日2時間以内が基準です。
研究でも確認される「ホリデー中の活動低下」
オーストラリアの小学生を学期中と夏休みに追跡した研究では、夏休み中は学期中と比べ、中高強度の身体活動が1日12分減少し、座って過ごす時間が27分増加、スクリーン時間が70分増加していました。別の同国研究でも、6週間の夏休み中は学期中より体脂肪率の増加と有酸素体力の低下が速いことが報告されています。
長期的な傾向についても、19か国・約96万5千人を対象とした分析では、子どもと青少年の心肺体力は1981年から2014年までの33年間に平均7.3%低下しました。ただし、低下は国や時期によって異なり、国際的な傾向は2000年頃からおおむね横ばいになっています。したがって、「現在のすべての子どもの、すべての運動能力が30年前より劇的に低い」と一律に断定することはできません。それでも、長期間の身体活動不足が子どもの体力づくりに不利であるという方向性は、現在の統計と研究の両方から読み取れます。
研究で確認されていること
休暇中は、集団平均として活動量の低下、座位・スクリーン時間の増加、体力や体組成の不利な変化が起こる場合があります。短期間の完全休止による影響は、競技、年齢、元の体力、休止中の活動によって異なります。
SHIN FITNESSの約10年の指導実感
2週間以上ほとんど動かずに休んだ選手は、体力、動作の速さ、ボール感覚、判断、集中、練習習慣を戻すまでに長い時間が必要になるケースが多くあります。
「2週間の休み」が、3〜4か月分の遠回りになることがある
私は約10年間で、何百人もの子どもたちを指導してきました。その中で何度も見てきたのは、2週間以上のロングホリデーを取り、その間ほとんど身体を動かさなかった子どもが、練習再開時にホリデー前より大きく状態を落として戻ってくることです。
SHIN FITNESSの現場感覚では、ホリデー前の約2か月前の状態まで戻り、元の練習状態を取り戻すためにさらに1〜2か月かかるケースがあります。結果として、積み上げ直しを含めて3〜4か月分の遠回りになることがあります。
本当に大きな損失は、数字だけではありません。子ども自身が「前にできていたことができない」「身体が動かない」と感じると、やる気を失いやすくなります。休む、戻す、また休むという流れを繰り返すと、継続する価値や、小さな努力を積み上げる成功体験を学ぶ機会まで失われる可能性があります。
月謝と時間を、本当の成長につなげるために
ホリデーのたびに長期間完全停止し、再開後に同じ基礎体力と技術を戻すことへ多くの時間を使えば、実質的には何か月分もの練習を「前進」ではなく「復旧」に使うことになります。費用を払うだけでは成長しません。参加を継続し、身体と習慣をつなぐことが必要です。
バスケットボールは、1人では完成しない
バスケットボールはチームスポーツです。個人のシュートやドリブルは1人でも練習できますが、スペーシング、パスのタイミング、ヘルプディフェンス、トランジション、コミュニケーション、試合中の判断は、相手と仲間がいなければ十分に学べません。
10人が集まれば、5対5ができます。参加者が少ない日と、10人以上が集まる日では、できる練習の内容と質が大きく変わります。1人ひとりの出席は、その子自身のためだけではありません。仲間全員の練習環境をつくっています。
今回のホリデーは、過去最高の参加状況でした
今回のスクールホリデーは、SHIN FITNESSがこれまで行ってきた中で、最も素晴らしい参加状況を記録しました。ほぼ毎日5対5ができ、長い間目指してきた練習環境に、ようやく到達できました。
そして、ほぼ毎日参加した子どもたちは、技術だけでなく、体力、判断の速さ、試合への理解、仲間との連携に明確な成長が見られました。旅行に出かけたご家庭もありましたが、約1週間で戻り、帰宅後すぐに練習へ参加してくれました。これは、家族の時間と競技の継続を両立した素晴らしい例です。
参加してくれた子どもたち、そして送迎や予定調整を続けてくださった保護者の皆様に、心から感謝します。
「毎日開催」の本当の意味
SHIN FITNESSが目指しているのは、全員に毎日参加を強制することではありません。年齢、試合日程、疲労、けが、体調に合わせた休養は必要です。私たちが大切にしているのは、子どもが練習したい時、成長したい時に、ホリデーを理由に環境そのものを閉じないことです。
そのために、スクールホリデー中も可能な限り毎日練習の機会を用意し、メンバーには週3回以上の継続参加を目標として案内しています。
- 2週間以上の「完全停止」を避ける旅行や休養があっても、動かない期間を必要以上に長くしない。
- 旅行中も短時間だけ身体を動かすウォーキング、軽いラン、ボールハンドリング、自重運動などを無理のない範囲で行う。
- 帰宅後、次に参加できる練習から戻る「来週から」「Termが始まってから」と先延ばしにしない。
- スクリーンと睡眠の時間を決める端末を一日中自由にするのではなく、身体活動、食事、睡眠の予定を先に組む。
- チームへの出席も責任の一つと考える自分の参加が、仲間の5対5と練習の質をつくることを学ぶ。
体調不良、感染症、けが、強い疲労がある場合は、練習を優先せず休養と適切な医療判断を優先します。継続とは、無理をすることではありません。長期的に続けられる形で、完全停止を繰り返さないことです。
私たちが守りたいのは、子どもたちの将来です
子どもは日々、成長します。しかし、年齢が上がるだけで、体力、技術、忍耐力、集中力、責任感が自動的に身につくわけではありません。それらは、良い環境の中で、何度も練習し、失敗し、仲間と協力し、少しずつ積み上げていくものです。
長いスクールホリデーを、YouTube、iPad、スマートフォンだけで過ぎる時間にするのか。それとも、身体を動かし、仲間と学び、自信を積み上げる時間にするのか。その違いは、1日では小さく見えても、数年後には大きな差になります。
SHIN FITNESSは、これからも子どもたちが成長を止めないための場所であり続けます。
Gold Coastで、本気で上達したい選手へ
SHIN FITNESSでは、7〜20歳の初心者からクラブ・代表選手まで、技術、判断力、体力、規律、集中力を段階的に指導しています。トライアル、メンバーシップ、個人レッスンについてご相談ください。
参考資料・科学的根拠
- Queensland Government, 2026 School Calendar — 2026年の州立校登校日数は195日。
- Australian Bureau of Statistics, Children's physical activity, screen time and sleep — National Nutrition and Physical Activity Survey 2023、2026年6月公表。
- Australian Government, Recommendations for children and young people (5 to 17 years) — 1日60分以上の中高強度活動、娯楽スクリーン時間2時間以内を推奨。
- Watson A, et al. Children's activity and diet behaviours in the summer holidays versus school year. Pediatric Obesity. 2023.
- Olds T, et al. Changes in fitness and fatness in Australian schoolchildren during the summer holidays. BMC Public Health. 2023.
- Eglitis E, et al. Health effects of children's summer holiday programs: a systematic review and meta-analysis. IJBNPA. 2024.
- Tomkinson GR, et al. Temporal trends in the cardiorespiratory fitness of children and adolescents in 19 countries, 1981–2014. BJSM. 2019.
- Joo CH. The effects of short term detraining and retraining on physical fitness in elite soccer players. PLOS ONE. 2018.
- Gavanda S, et al. Three Weeks of Detraining Does Not Decrease Muscle Thickness, Strength or Sport Performance in Adolescent Athletes. IJES. 2020.
研究結果は集団の平均的傾向であり、個々の子どもに同じ変化が起こると断定するものではありません。記事内のSHIN FITNESSにおける回復期間・後退期間は、日常の指導観察に基づく目安です。